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 久々の「今日の本」です。

 今日は作家フランツ・カフカの誕生日です。1883年のお生まれです。

 カフカは言わずと知れた


   『変身』(新潮文庫)
の作者です。
朝目覚めると巨大な虫になっていた男と、その家族の顛末を描く物語です。これを初めて読んだとき、(12、3才の頃だったと思いますが)「面白くない小説が世の中にはあるんだあ。小説は面白くなくてもいいんだあ」と思ったのを覚えています。それまで、子ども向けの娯楽小説しか読んでいなかった私は、本というものは面白いものしかないと思っていたのですが、面白くない本を読んで衝撃を受けました。面白くない本を読み切ることが出来たというのも驚きでした。
 今でも、面白くない本は最後まで読むことが出来ないことがしばしばあります。この『変身』は面白い印象はなかったけれど、最後まで読むことが出来たのは何かあったのだろうとずっと考えていますが、何かはまだ分かっていません。

 カフカ入門編としては、

   週刊朝日百科の『世界の文学68』
が、分量も少なくてとっつきやすいのではないでしょうか。


 カフカへの変わったアプローチをしている

    ハンス・ツィシュラー『カフカ、映画に行く』(みすず書房)
もお薦めです。

 梅雨時には、じめっとした薄暗いカフカを読みに有報堂へお越し下さい。


※7月の営業のお知らせは、6/30の記事にあります。ブログ右側の営業カレンダーもご覧下さい。


 ワールドカップが始まりましたね。

 ワールドカップ開催に伴い、サッカー本フェアを行います。
 
 題して
   
「4年に1度くらいサッカー本を読んでもいいのではないか!」

  
 マンガや
   塀内真人『オフサイド』(講談社)、大島司『シュート』(講談社)
   

 本や
   チャック・コール/マービン・クローズ『サッカーが勝ち取った自由』(白水社)


 雑誌を
   若い!マラドーナ
「NumberPLUS」20世紀スポーツ最強伝説②サッカー百年の記憶(倉)
ご用意しています。
   


 今年のワールドカップの特集雑誌も

   「NumberPLUS」南アフリカW杯蹴球読本

   「ワールドサッカーキング」ワールドカップ観戦ガイド最終登録メンバー
もご用意しました。

 ワールドカップの放映と合わせて、サッカー本フェアもお楽しみ下さい。
 期間は、ワールドカップと同じく7/11のFINALまでです。ご来店お待ちしております。

 (忙しくてまだ倉庫を捜索しきっていないので、徐々にサッカー本が増える予定です。)


※6月の営業のお知らせは、5/30の記事にあります。ブログ右側の営業カレンダーもご覧下さい。
   




 夏かと思うくらいの天気ですね。


  山も   有報堂の周りも
みどりの季節です。

だからと言うわけではありませんが、

  
最近入り口正面のレジカウンターには、
かの有名な

  モーリス・ドリュオン『みどりのゆび』(岩波書店)
が置かれています。
少し小さいですが、箱が綺麗な本なので置いてみました。


 本の本体も綺麗な装幀です。
  
  TISTOUと書かれています。
主人公の名前です。訳者の安東次男はチトと訳しています。

 イギリスでは、みどりを育てるのがうまい人を 
「みどりのゆび をもっている」 と言います。
 子どもの頃欲しかった指(何でしょうか?それは)No.1はみどりのゆびでした。(因みにNo.2は『きつねの窓』の紫の指です)

 子どもの頃からなまけものの有報堂ブックス担当は、みどりのゆびを持っていれば、全く世話をしなくてもみどりが育つのだと勘違いしていたのです。

 その勘違いの元は、この『みどりのゆび』ではないかと思っています。
 主人公のチトは、土にさわるだけで花を咲かせることの出来る魔法の親指を持っている。(要するに今目の前で撒く種がなくても、みずがなくても、どこでも花を咲かせられるのです)刑務所、病院、スラム・・・最後にはお父さんの○○工場も花園に変えてしまいます。


 この本は、反戦童話と言われています。子どもの頃は、このみどりのゆびを持って自分も戦争を止めたいと思ったこともあったし、何て素敵な物語かと思ったものでした。が、大人になるとひねてくるのか、違和感を覚える箇所がいくつか出てきます。
 訳者のことばでフランスの童話は話の筋よりも詩的なふんいきを大切にする。『みどりのゆび』や『星の王子さま』がそうであると書いてありましたが、個人的には『星の王子さま』のほうはあまり違和感はありません。なので、詩的表現というよりは、『みどりのゆび』の中身の問題だろうと思っています。

 最大の違和感は、最後の一文「チトは・・・」です。この一文は必要なのかどうかずっと考えています。○○工場と最後の一文を知りたい皆さんは、ぜひ有報堂で読んでみてください。





※5/23(日)は夜貸切となります。(通常営業は19時まで)ご了承ください。その他の5月の営業のお知らせは、4/25の記事にあります。ブログ右側の営業カレンダーもご覧下さい。 








 ピカソは1973年の今日、お亡くなりに。「今日の本」は、ピカソです。

 全く芸術的センスのないブックス担当。ピカソ、ピカソ、ピカソとつぶやきながらひっぱり出したのは、
   結城昌子『小学館あーとぶっく ひらめき美術館』第1館(小学館)
 ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」にはじまり、写楽、ピカソ、ゴッホ、モネ、ルノワール、ダリ、ウォーホール、そして小学生、「ミロのヴィーナス」、ボッチョーニの彫刻まで!!古今東西の絵画・彫刻がアトランダムに、お気楽な字で分かり易く解説されています。

 ピカソは、
  「顔」

  「ドラ・マールの肖像」「マリー・テレーズの肖像」

  「ゲルニカ」「泣く女」
が採用されています。

ドラ・マールとマリー・テレーズの展示室では、「どっちの女の人が好みのタイプ?」などと書いてあって、かなり肩の力を抜いて読めます。「そんなに気合いを入れて絵を見なくていいんだぁ」と思わせてくれる本です。

 カバーの折り返し部分に、「ひらめき美術館」は、「感じること、味わうこと、想像すること、そして自分で挑戦してみることを、大切にする美術館です」と書いてあります。ピカソの展示室の次には「みんなが参加する部屋」があって、「ピカソ気分いっぱいの絵を描いてみよう」というページになっています。まさしく挑戦です。
 感じること、想像することは出来たものの、未だに味わうことが達成出来ていないブックス担当。今年は、ぜひ味わってみたいものです。


 皆さんもひらめき美術館に入館しに有報堂へ来ませんか?


※4月の営業のお知らせは3/27の記事にあります。ブログ右側の営業カレンダーもご覧下さい。 




 今日は近世哲学の父、ルネ・デカルトの誕生日です。1596年のお生まれです。「今日の本」は、デカルトです。有報堂にもデカルトが!今日はその中から3冊をご紹介します。

 「我思う、ゆえに我あり(cogito ergo sum)」という命題で有名なデカルトです。誰もが一度は聞いたことがあるはず。

 聞いたことはあるけど、意味はちょっと・・・という人も多いはずです。そんな人には、
   岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』(岩波ジュニア新書)
がお勧めです。その名の通り入門書です。しかもジュニア向け。第3部2章「理性主義の系譜」のトップバッターがデカルトです。これを読むと少し分かった気になります。読んだその瞬間はすごく理解した気になったんですけどねえ・・・。ヨーロッパ思想の基礎を、ギリシアの思想とヘブライの信仰において、その二つを最初の2章で詳しく説明しています。この流れで読むとデカルトも分かった気に。一気に読んだほうが分かるような気がします。
 岩波書店がジュニアをどれぐらいの年齢層にしているかは分かりませんが、自分がジュニアだと思われる時期に読んでいたら全く理解出来なかっただろうなと思います。今読むと分かることも多いし、そうではないんじゃないかと疑問を持つこともあります。成長してますね。大人に勧める入門書です。


  川原泉『事象の地平』(白泉社)
にもデカルトが出てきます。

 第2章究極の12哲人列伝に
   出てきます。この似顔絵の上のセリフがお気に入りです。
 これは漫画家・川原泉のエッセイ集です。マンガと同じテンションでエッセイ及び哲学解説。川原マンガを読んだことのある人のほうが楽しめます。第1章のお気楽哲学講座も脱力系でお勧めです。

 最後はマンガから
   「コギトエルゴスム」を叫んでいるのはだーれだ?
 

  コブラだよ。
寺沢武一『COBRA』(メディアファクトリー)5巻のシーンです。
SFは苦手なブックス担当ですが、視覚化されるとついていけます。海賊ギルドの銀河統一への野望を描く、「シドの女神」編のクライマックスでこの言葉が。シドの女神へのプログラミングで使われます。デカルト本人は出てきませんが、結構うまいかもと思いました。この話ではもう一人有名人が最後に出てきますが、それはまたその人の誕生日にでも。気になる方は、有報堂で『COBRA』をぜひお読み下さい。

 有報堂には、この他にもデカルトが出てくる本が結構あります。デカルトを捜しに有報堂へ来ませんか。


 
※4月の営業のお知らせは3/27の記事にあります。ブログ右側の営業カレンダーもご覧下さい。


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