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「覚えているよ。今でも待っているよ。早く終われよ」
「読者がどこまで読んだか忘れるくらい長い間休載するな!!」

 11/2の記事のように、書店で本の帯、POP、広告などにいちいち心の中でつっこみをいれているブックス担当が、今年一番書店でつっこみをいれたのは、タイトルの言葉に対する冒頭の言葉です。



 1976年に連載を初めて未だに未完の演劇漫画、美内すずえ『ガラスの仮面』(白泉社・花とゆめコミックス)の棚ざしの位置に置かれている、「どこまで読んだか覚えているかしら?」。書店で初めて見たとき「何て挑戦的な。これは絶対、姫川亜弓か月影千草のセリフだね」と思いました。

挑戦的なセリフを投げつけるだけあって、何と今年『ガラスの仮面』は
新刊が2冊もでました。快挙です。


42巻と43巻の間は、4年と1ヶ月

41巻と42巻の間は、6年

40巻と41巻の間は、5年と
今年がいかに凄いかは一目瞭然です。
待たされ続けたファンとしては、フィナーレに向けて期待が高まります。最高に面白かったときには全く及ばない内容なんですが、それでもきっちり終わりを見届けたいという願望はあります。

 ずっと続きを待っていたという同世代のお客さんや、常連ご家族の小学生の子どもさん達が、有報堂に来る度に『ガラスの仮面』を夢中で読んでいるのを見ると、良い漫画はいつの時代に読んでもいくつになっても面白いんだなあ。良い漫画はいつまでも読まれるなあと感慨深く思います。そんな小さいファンのためにも、未完の大作で終わらないでと切に思います。

子どもも大人も夢中にさせる『ガラスの仮面』を読みに皆さんも有報堂にお越し下さい。


大人も子どもも楽しめる漫画は、『ガラスの仮面』以外にもたくさんありますよ。



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今日は、入り口正面のレジカウンターの面陳本を
クリスマス仕様に。
クリスマスの本を全部見つけ出していないので、徐々に増える予定です。

全景がぼやけてしまったので、メインをアップで撮ってみました。
『サンタクロースっているんでしょうか?』(偕成社)
有名な本ですね。112年前アメリカの「ニューヨーク=サン新聞」に載った社説の全文です。アメリカでは、今でもクリスマスの日にこの社説が載るそうですよ。

しかし、今日のお勧めクリスマス本はこれではありません。

コナン・ドイル『シャーロック・ホームズの冒険』(新潮文庫)
の中にホームズシリーズ唯一のクリスマス話が収録されています。それは、「青いガーネット」です。子どもの頃は、「青いルビー」とか「青い紅玉」とか訳されていたような気が・・・と思って1953年(写真は2002年で99刷のもの)の新潮文庫の『シャーロック・ホームズの冒険』を見てみると(有報堂には色んなシャーロック・ホームズがあります。)そちらは「青い紅玉」になっていました。この話を初めて読んだとき「青いのに赤」「鵞鳥って食べられるんだ」と思ったことを覚えています。昔のイギリスではクリスマスに鵞鳥を食べていたようです。
鵞鳥料理はともかく、このクリスマスはホームズの推理に酔いしれてみるのはどうでしょうか。
温かい飲み物とペチカがある有報堂に、クリスマス本を読みにいらしてください。

皆さんのお勧めのクリスマス本は何ですか。


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 皆さんは、寝る前に本を読む習慣はありますか。その時どんな本を読みますか。

 私は、毎日寝る前に本を読んでいます。

 寝る前に読む本は、選ぶのにとても気を遣います。なんでも良いわけではありません。寝るときに適した本を選ばないと大変なことになります。

 仰向けで本を持ち上げて読むことが多いので、重い本は適していません。雑誌も、上等な紙で写真が多いテカテカしているものはめくりづらいので適していません。

 当然ながら中身も重要です。本選びに失敗すると睡眠の妨げになります。うっかりグルメ本に手を出すと、おなかがすいて眠れなくなります。
 面白くない本を読んでしまうと、面白くないことに憤慨して眠れなくなったり、口直しならぬ目直しで面白そうな本に手を出してしまって眠れません。面白い本は、全て読み終わるまで眠れないか、興奮しすぎて続きを想像し続けて眠れません。長編ものに手を出すと毎晩眠れなくなります。このように寝る前に読む本は重要です。本選びに難航して、眠れないこともあります。


 安全な本は、短編、エッセイ、学術書や漫画の一巻読み切り物、雑誌(普通の紙のもの)などです。割と途中で終わることが出来ます。短編はあまりにも出来がいいと、その本の他の作品も読みたくなるので注意が必要ですが。読み慣れた本も途中でやめることが簡単なため安全です。しかし、忙しいときなどは寝る前にしか本が読めないこともままあるので、読んだことのある本ばかりを読むというのも惜しいので、なるべく安全そうな本を選んで読みます。

 が、たまに選ぶのに失敗して、討ち死にする本にあたってしまうことがあります。面白くて、いつまでも眠れない本です。「寝なきゃ、もう寝なきゃ、3時間後には起きなければいけないのに・・・」「寝なきゃ、もう寝なきゃ、2時間後には起きなければいけないのに・・・」と思いながら最後まで読み進めて、面白かったところを再度読んでしまう最強の本です。その被害を最小限に抑えるためには、文庫本など全部読んでもあまり時間のかからない本がいいわけですが・・・なかなか・・・

 最近の一番の討ち死に本は、雫井脩介『犯人に告ぐ』(双葉社)でした。面白いし長いしいつまでも眠れません。ただ、この本を読んだ時は定休日の前日(というよりも当日でしたが)だったので、最初から討ち死に覚悟だったのでまだいいのです。

 昨日の夜(今日の夜か)の討ち死に本は、

パブロ・デ・サンティス『世界名探偵倶楽部』(ハヤカワ文庫)です。

 中南米スペイン語圏文学をもっと普及させたいという意図のもと創設されたプラネターカサメリカ賞の第1回(2007年)受賞作品です。
1889年のパリ万博に合わせて開かれることになった〈十二人の名探偵〉クラブの総会で議論が行われた後、フランス代表が・・・・・・

 絶対に安全だったはずなのに・・・。出だしは、あまり乗らない展開で読むのを止めることはないけど、どんどん読むという話しではないなという感じだったのです。だからいつでも時間になれば、閉じることの出来る本だと思って読んでいたのに・・・。事実、その前日までは、少し読んではすぐ寝るという繰り返しでした。なのに、今日はこの区切りまでと思って読んでいたその最後のp.179・180のダルボン夫人のそのセリフが、この本を討ち死に本に変える決定的な一打でした。「あなたに犯人を見つけてほしいから。犯人を怯えさせたいの。・・・・・・・・・」この・・・・・・・・・の中が一撃必殺のセリフでした。それを読みたい方は、いますぐ有報堂へ。

 あなたの討ち死に本は何ですか。ぜひ教えて下さい。


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 皆さんは、本についている帯のコピーで本を購入することはありますか。
帯は「店頭における唯一の広告であり、商品説明の場である」(オビスピエール)と言われ、わりと帯の呼び込みで本を買う人も多いようです。でも、「そんな説明で買うかなあ」と疑問に思うコピーも多々ありますよね。今日はそんな帯から派生した記事を。

清水玲子『秘密』(白泉社)7巻(倉)
 これは、2060年代の近未来設定の漫画です。死亡した犯人あるいは被害者の脳を「MRIスキャナー」にかけ、一定の電気刺激を与えて生前に見た記憶を映像として再現し、未解決の事件や凶悪事件を捜査します。死者の記憶を見るという行為は、当然ながら事件の記憶だけを見るわけではないので・・・・・・。推理小説好きの私の壺で、とても面白い漫画なんですが、全編通して何だか救いがないなあと重苦しい気分になる本です。描写がかなりグロテスクなので、お食事どきにはちょっと・・・ということで店頭には出さずお蔵入りになっています。(同じような理由でJETの横溝シリーズ(倉)もお蔵入りに)

それはそれとして、その『秘密』7巻の
帯です。一番大きく書かれているのが、「史上最厚の第7弾!」
 史上最厚と言っても、このシリーズ史上だし。「そもそも6巻まで買っていなかった人が、厚い本だという理由で購入するんだろうか」「しかもこの『秘密』は、そんなに厚くない」等々書店で色々考えてしまったので、家に戻って測ってみました。
 『秘密』7巻は2.2cm、普通の漫画の単行本はだいたい1.5cm位だから倍もないんですよね。ワイド版だから高さはありますけど。

 ついでに有報堂にある厚そうな本を色々測ってみました。


漫画最厚は
さいとうたかお『サバイバル』(リイド社)ワイド版 5cm
 
文庫本最厚は
東野圭吾『白夜行』(集英社文庫) 3.2cm
 ずっとウィルキー・コリンズの『月長石』(創元推理文庫)が有報堂にある文庫本の最厚だと思っていたので、ちょっと衝撃。3cmだったので、2mm負けました。

全ての本の中で最厚は
『広辞苑』(岩波書店)(倉)8.2cmでした。
全く意外ではなく拍子抜けです。

店頭に出ている本で最厚は、
『日本全史』(講談社)6.4cmでした。

次点は、
The Original Illustrated ‘STRAND’Sherlock Holmes 5.4cm。ようやく小説が。英字本ですけど。
 
 図書室にある本で厚いなと思う本は、総じて4cm位でした。(『アンジェラの灰』『アラブの目覚め』『サウジアラビア王朝史』『アラブが見たアラビアのロレンス』etc....)

 ここに紹介した本は、厚さだけが売りではなく中身も面白いですよ。厚い本を読みに有報堂に通い詰めるのはどうでしょう。読書の秋に厚い本を。


 文中の(倉)は、全て倉庫にある本という意味です。(倉)の本を読みたい方は、ブックス担当までお声をかけてください。

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 大丈夫ですよ皆さん。読書が足らん!のはあなただけではありません。
有報堂の面々も「韓愈は知ってるけど・・・」とか、もぞもぞ言っていましたよ。

今日は、「ググるな、本を読め!」のお話です。 

『広辞苑』には、韓愈「唐の文章家・詩人。(中略)詩は険峻と評される力作をよくし、平易な風の白居易と相対した。(後略)」などなど書いてあります。

有報堂物置には、辞書もたくさんあります(これは一部です)。
スペースの関係でお蔵入りしています。ブックス担当が辞書好きで50冊くらいあるかなあ(数えたことはありません)。辞書を読みたい方も一声かけてください。

このようなスペースをとらない小さい辞書は、図書室にもあります。


このブログをご覧になれる方は、当然インターネットが出来るので、韓愈や「灯火親しむべし」をちゃちゃっとググることが出来るはず(既にググった人もいるはず)です。(因みにググるとは検索エンジンGoogleを使って検索することです)

昨年の夏、アメリカの雑誌で「グーグルはわれわれを愚鈍にしようとしているのか?」という論文が発表されたという記事を、雑誌か新聞で読みました。昨年は自家工事真っ最中で、その記事の追跡も調査も出来なかったし、何で読んだかすら覚えていないので記事の内容も不正確ですが、要は「オンラインでやっていることは、従来の「読む」という行為とは違うことだ」「ネットを使って「読む」頭の回路と、本や印刷物を「読む」頭の回路は全く違う」というような内容だったかと。愚鈍になるとは過激な・・・と思った覚えがあります。


まあ、仕事などならスピードも必要ですし、調べたいことがはっきりしていればそれでもいいかと思います。が、韓愈は生死に関わることでもないし、生きていくうえで、生活するうえでどうしても必要な知識ではないしスピードは必要ありません。

暇なときに辞書でも、不確かな記憶でこんな本に書いてあったようなと色々な本にあたってみる(そしていつまでもお目当てのものにたどりつかない)、心の片隅に留めておいていつかそのことが分かる本に巡り会う、というのが面白いんです。そしてそれが今はやりのスローライフなんではないかと思っています。

そんなブックス担当が、不確かな記憶で今回あたってみた本は、

『新唐詩選』『新唐詩選続編』岩波新書です。

確か韓愈の詩があったはず・・・と目次を見ると

ありました。韓愈十五首。
「ビンゴ!」と叫んで読み始めましたが外しました。お目当ての「符読書城南」〔符  書(しょ)を城南(じょうなん)に読む〕はありませんでした(>_<)

しかし、私の漢詩のイメージを一変させた詩が載っていました。高校時代その詩を初めて読んだ時の衝撃を思い出しました。(こういう寄り道も読書の良さですね)
その衝撃の(というより笑撃の)詩は、「落歯」です。(結構有名な詩ですがご存じですか。)「らくば」でも「おちば」でもなく、「落つる歯」と読み下します。

この詩は、
「去年は奥歯が1本抜けて、今年は前歯が1本抜けて、あっという間に6・7本抜けてしまって・・・」と始まり、えんえんと歯が抜ける話を書いています。そして、友人に「歯が抜けるのは、健康が衰えた証拠だ。寿命も短いんじゃない?」などと心ないことを言われ、あげく最期には、「噛むことが出来なくなったら、軟らかいものがいっそう美味しく感じるだろう」と言って、「この詩を鼻歌まじりに作ったので、妻子に見せびらかせよう」と終わるのです。
ね、凄いでしょ。最初に引いた広辞苑にもあるように、「険峻と評される詩」を書く人ですよ。ギャグでしょうこれは。爆笑です。これで少しは漢詩が好きになりましたね。
今回読んで初めて知ったのは、(以前はまだ若くて印象に残っていなかったのかも)この詩を書いたときの韓愈の年齢は36歳・・・。あと少しで・・・などと言っていられないくらい似たかよったかの年齢にこれも衝撃です。

全文を読みたい方は、有報堂にお越し下さい。『新唐詩選続編』にあります。有報堂にあるのは、1954年のものなのでかなり古く、地の文ももはや古文の域ですが。
この秋は、漢詩を読みに有報堂へ。



※本日は19:00〜貸切となるため、18:30までの営業となります(L.O.は17:30です)。また、10月21日(水)は夜間貸切となるため、通常営業は19:00までとなります。ご了承下さい。その他の営業のお知らせは、9/27の記事にあります。
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