夏かと思うくらいの天気ですね。 山も 有報堂の周りも みどりの季節です。 だからと言うわけではありませんが、 最近入り口正面のレジカウンターには、 かの有名な モーリス・ドリュオン『みどりのゆび』(岩波書店) が置かれています。 少し小さいですが、箱が綺麗な本なので置いてみました。 本の本体も綺麗な装幀です。 TISTOUと書かれています。 主人公の名前です。訳者の安東次男はチトと訳しています。 イギリスでは、みどりを育てるのがうまい人を 「みどりのゆび をもっている」 と言います。 子どもの頃欲しかった指(何でしょうか?それは)No.1はみどりのゆびでした。(因みにNo.2は『きつねの窓』の紫の指です) 子どもの頃からなまけものの有報堂ブックス担当は、みどりのゆびを持っていれば、全く世話をしなくてもみどりが育つのだと勘違いしていたのです。 その勘違いの元は、この『みどりのゆび』ではないかと思っています。 主人公のチトは、土にさわるだけで花を咲かせることの出来る魔法の親指を持っている。(要するに今目の前で撒く種がなくても、みずがなくても、どこでも花を咲かせられるのです)刑務所、病院、スラム・・・最後にはお父さんの○○工場も花園に変えてしまいます。 この本は、反戦童話と言われています。子どもの頃は、このみどりのゆびを持って自分も戦争を止めたいと思ったこともあったし、何て素敵な物語かと思ったものでした。が、大人になるとひねてくるのか、違和感を覚える箇所がいくつか出てきます。 訳者のことばでフランスの童話は話の筋よりも詩的なふんいきを大切にする。『みどりのゆび』や『星の王子さま』がそうであると書いてありましたが、個人的には『星の王子さま』のほうはあまり違和感はありません。なので、詩的表現というよりは、『みどりのゆび』の中身の問題だろうと思っています。 最大の違和感は、最後の一文「チトは・・・」です。この一文は必要なのかどうかずっと考えています。○○工場と最後の一文を知りたい皆さんは、ぜひ有報堂で読んでみてください。 ※5/23(日)は夜貸切となります。(通常営業は19時まで)ご了承ください。その他の5月の営業のお知らせは、4/25の記事にあります。ブログ右側の営業カレンダーもご覧下さい。 |
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