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全国的に大荒れの天気のようですが、皆さんのお住まいの地域はいかがですか。
有報堂のある西箕輪は雪です。「1周年記念イベントが今日から開始でなければ、臨時休業にするのに」とつぶやきたくなるぐらい吹雪いていました。今は、落ち着いていますが・・・
今朝は、雪かきで仕事開始です。
 1時間雪かきして地面が見えてきました。広い駐車場もなかなか大変です。

有報堂のスタッフのイメージでは、雪と霧の日はエンヤです。今日の有報堂のBGMはエンヤがかかっています。

こんな日には、エンヤを聞きながらペチカの前で読書です。

宮沢賢治『雪の童話集』(童心社)
宮沢賢治の文章と佐藤昌美の絵が融合していて"雪"を感じる1冊です。個人的に宮沢賢治は、雪のイメージが強いです。教科書に載っていた「雪わたり」(だったと思います)の印象が強いのかなあ。それとも岩手のイメージかなあ。『雪の童話集』はしーんとした中で背筋を伸ばして読みたくなる本です。雪の日はあまり好きではありませんが、本を読んでいると雪もいいものだなあと思います。

雪繋がりのもう1冊は、
 細野不二彦『ギャラリーフェイク』9巻(小学館)
この本に、「湯乃華と雪乃華」という作品があります。老舗旅館の若女将が持っていた江戸時代中期の雪輪文様の茶碗を、骨董商が「顕微鏡もなかった時代に雪の結晶が描ける訳がないでしょう」といって、買い叩こうとするのです。それを主人公の藤田が「江戸時代には雪の結晶が大流行だった」と言う話しをして防ぎます。因みに、藤田は顕微鏡がなかったことには反論していませんが、一般流通していなかったものの江戸中期には既にオランダ渡りの顕微鏡が日本に入ってきています。
 雪華文様が流行したのは、オランダからの書物がきっかけだと藤田は言っていますが、やはり有名なのは雪狂い土居利位(どいとしつら)でしょう。江戸幕府の老中も務めていた利位は、日本初の雪の研究書「雪華図説」を刊行しています。この本をきっかけに雪華文様が大流行したようです。土居利位のことを書いた本も有報堂にあるはずですが、今回は見つけられませんでした。またの機会にご紹介します。

 さて、そんな江戸時代に大流行した雪華文様を再現できる紋切り型というものがあります。’09/11/22の記事に載せたときめきメニューの表紙がそれです。有報堂Bが器用さを発揮して作っています。
これです。メニューの表紙のようにこのまま貼ってもいいですが、

型抜きとして
このように使ったりしています。
(これは、クリスマス会のご予約を受けたときのティラミスです。雪華文様スイーツをご希望の方は、ご予約で承ります。)

江戸時代から有報堂まで続く雪華文様に思いをはせて、または雪の本を読みながら有報堂で一服してみてください。


※ 1/24(日)は11:30〜15:00の間、客席西側のテーブル席がすべて予約席となっております。座席が限られますのでご了承ください。
※ 1/30(土)は都合により16時閉店(15時ラストオーダー)となっております。何卒ご了承ください。その他変則営業は随時お知らせをいたします。
※1月の営業のお知らせは12/27の記事にあります。ブログ右側の営業カレンダーもご覧下さい。






 休み明けの昨日から休みボケと言っていられないぐらい、てんやわんやしています。ご好評頂いた「ブックフェア〜スポーツを読め!」も終了し、カフェの本棚を元に戻しました。が、少し本の入れ替えをしています。何と何が入れ替えになったかは、有報堂に来て今すぐチェックしてみて下さい。
(ブックフェア中、倉庫から出してきた本は倉庫に戻っています。倉庫にある本をご希望の方は、スタッフに声をかけて下さい。)


さて、年末(12/28)にご紹介したトルコ本・歴史本にもいくらか反応が・・・。「イスラームのマンガってあまりないよね」「あるのは、トルコだけ?」などなど。

もちろん、あるのはトルコだけではありませんよ。

マルジャン・サトラピ『ペルセポリス』(バジリコ)
マンガでかつトルコ以外です。イランのマンガです。
世界的な大ヒットで映画化もされたマンガです。ご存じですか。

 世界遺産のペルセポリスの話ではなく、1969年生まれの著者の半自伝です。
1巻は、6歳から14歳まで。1979年のイランのイスラーム革命とイラン・イラク戦争という激動の時代を、テヘランに暮らす少女マルジの視点から描いています。
2巻は、14歳から25歳まで。ウィーンでの亡命生活。イランへの帰国。結婚、離婚について描かれています。
2巻のほうが自伝的要素が強いので、私としては1巻のほうが面白かったです。テレビ等ではわからないイランでの生活の一端が、分かるマンガです。雰囲気としては、中国とイランという違いはありますが、ユン・チアン『ワイルドスワン』に似ています。どちらもお勧めです。

イラン繋がりでもう1冊。
アーザル・ナフィーシー『テヘランでロリータを読む』(白水社)
イスラーム革命後のイランで、ヴェール着用を拒否してテヘラン大学から追放された著者が、自らが選んだ教え子7人と革命下で読むことを禁じられていた本の読書会を行っていたときの回想録です。自由に本を読めることのすばらしさと、読書がこんなにも面白いんだということを認識した本です。この本を読んで、挫折しっぱなしのナボコフ『ロリータ』を読もうと再(再再々くらい・・・)挑戦しましたが、またしても挫折しました・・・抑圧された中で、他者に人生を収奪されたロリータに共感をしていく彼女たちのようになれないのは、抑圧されていないからなのか・・・。今年の目標は、ナボコフ『ロリータ』再挑戦です。

 今日ご紹介のイラン本を読みに、または今までに挫折した本(があれば)の再挑戦に、有報堂へいらっしゃいませんか。

※1月の営業のお知らせは12/27の記事にあります。ブログ右側の営業カレンダーもご覧下さい。



あなたの今年の重大ニュースは、何ですか。

 ブックス担当の独断と偏見で選ぶ今年一番の世界重大ニュースは、今年10月10日に調印が行われた「トルコとアルメニアの国交樹立合意署名」です。国会の批准まで予断を許さないと言われていますが、ここまでくれば・・・と思っています。
(「チェンジ」は流行語トップテン入りしなかったけど、これを促進したというその一点だけで、オバマ大統領のノーベル平和賞はありだと個人的には思っていましたが、授賞式のスピーチがなあ・・・)

 トルコとアルメニアの国交断絶(国境封鎖1993年)の直接的原因は、アゼルバイジャンとアルメニアの紛争(ナゴルノカラバフ問題)ですが、第一次世界大戦下で起きたとされるアルメニア人虐殺に関する認識の違いなどで1世紀に及ぶ対立状態でした。アルメニア人虐殺は、第1次大戦中の1915年から、オスマン帝国の「青年トルコ党」が、当時領内で独立への志向を強めていたアルメニア人に対する弾圧と強制移住を実行する中で生じたとされる大規模な殺害事件です。アルメニア側は150万人以上が殺されたと主張し、トルコ側は公式にこれを認めていません。合意文書は、アルメニア人虐殺問題を念頭に、「両国が対立する歴史的側面」を検証する合同委員会の設置を呼び掛けています。トルコとアルメニアの歴史問題解決の行方に注目していきたいと思っています。日本と近隣諸国の間に横たわる歴史問題にも参考になる協同の営みが進めばいいなと思っています。

 「チェンジ」は流行語からもれましたが、今年個人的に気になった流行語はトップテン入りを果たした「歴女」。「れきじょ」と読むそうです。音が汚らしいなあ。と言うのが第一印象です。「『三国志』や戦国時代をテーマにした映画やゲームが増え、原作本を読み始めて「歴史通」になる女性が増えてきた」(ユーキャン)ことに伴って歴史好きの女性を指す言葉として使われるようになったらしい・・・。史学科出身の私としては、歴史好きの友達が多いので、あえて強調される意味が良くわかりません。しかも歴史オタクとしては、「三国志や戦国だけが歴史だと思うなよ」「どれだけ歴史を知っていてそのように名乗れるのか」とかなり憤っています。

 そんなブックス担当が、今年最後にお勧めする本は、トルコ本・歴史本(入門編)。



マンガはこれ、
高橋由佳利『トルコで私も考えた』(集英社)
トルコ好きが高じて、現地で住み着いて結婚までしてしまった漫画家のエッセイです。トルコの一端が分かるかも。入門編にぴったりです。


有報堂で皆さんに「何でこんなにあるの?」と聞かれることの多い
イスラーム本。もちろんオスマン帝国の本もたくさんあります。
「それはブックス担当が少しだけ勉強したことがあるからです」学問にも流行があります。9・11以来イスラーム史は、人気の分野です。次々と絶版だった本が復刻され、本を買うのが追いつきません。が、私が学生の時は、大して人気もなく資料を集めるのも一苦労でした。

ざっとイスラームを勉強するならこの本です。
『イスラーム』(ネコ・パブリッシング)


今回一押しは、
ジョージ・アントニウス『アラブの目覚め』(第三書館)
オスマン帝国末期のアラブ民族運動と英仏独列強の介入。第一次世界大戦中、マクマホン書簡を契機とするアラブ独立の公約が大国の背信によりいかに蔑ろにされていくか・・・今も大荒れの中東問題を理解する上でも重要な1冊です。厚いですが・・・
これを読んでアラビアのロレンスを読むと、見る視点が違うとこんなにも解釈が違うんだということを実感します。(T・E・ロレンス『砂漠の反乱』(角川文庫)自伝ですけど)


第三書館は国会図書館への納本を行っていなかったので、当時、第三書館の本は割と国会図書館に置いていなかったのです。学生の時第三書館の本は、買わないといけない本の筆頭でした。今は、『アラブの目覚め』も置いてあるようですが。


今回ご紹介したのは、ほんの一部です。来年は、有報堂で腰を据えてイスラームについて学んでみるのはどうでしょうか。




※29日(火)は夜貸切となるため、通常営業は19:00までとなります。ご了承下さい。その他の12月の営業のお知らせは12/17の記事に、1月の営業のお知らせは12/27の記事にあります。ブログ右側の営業カレンダーもご覧下さい。



今日から1月3日まで「ブックフェア〜スポーツを読め!」を開催しています。

今朝開店前に模様替えです。
カフェの本棚総入れ替えです。


クリスマス本を飾っていた入り口正面のレジカウンターの面陳本も
スポーツ本に。
左から「箱根駅伝」(月刊陸上競技2010年1月号増刊)(倉)、「スポーツ20世紀vol.3;プロ野球名勝負伝説」(2000年B.B.MOOK)(倉)表紙は江夏vs王、「ナンバープラス;20世紀スポーツ最強伝説①」(1999年文藝春秋社)(倉)表紙はモハメド・アリ

普段店頭に置いていない雑誌がたくさん出ています。
「ナンバー」(ベースボールマガジン社)各種。(倉)懐かしのカール・ルイスの顔も。
タイガース本は、今回も出していませんが、やはり雑誌の特集もタイガースネタが多いです。

今回のフェアの売りは雑誌2冊です。

1977年9月23日「週刊読売」臨時増刊号。(倉)(永久記念・感動のグラフ特集)代表と有報堂Aはかろうじて生まれています。1977年の9月に何があったのか・・・

王貞治世界新記録達成!です。

もう1冊は、1964年「週刊朝日」10月23日号(倉)です。有報堂の面々はまだ生まれていません。この時は、

東京オリンピック開幕です。


有報堂には割と古い雑誌がたくさんありますが、普段は店頭に出していません。ブックフェアの際にご堪能ください。

まだまだ出したい雑誌はたくさんありますが、ネタが尽きないようにと出し惜しみしています。次のブックフェアもお楽しみに。

カフェの本棚にいつも並んでいる本を読みたい方は、スタッフまでお気軽に声をかけてください。



※文中の(倉)は、普段は倉庫にある本という意味です。


※12/28(月)は19:00〜貸切となるため、18:30までの営業となります(L.O.は17:30です)。29日(火)は夜貸切となるため、通常営業は19:00までとなります。ご了承下さい。その他の12月の営業のお知らせは12/17の記事に、1月の営業のお知らせは本日の記事にあります。ブログ右側の営業カレンダーもご覧下さい。




 冬至かぼちゃも食べず、クリスマスケーキもチキンも食べず、忘年会もやらず・・・12月23日から1月3日まで怒濤の12連続営業(>_<)昨日は一日貸切でブログを更新する間もありませんでした。
 連続営業中にお客さんが少ないと悲しいので、皆さんぜひご来店くださいね。


 年末年始の営業は、ブックス担当の独断と偏見で(趣味で)有報堂がスポーツカフェに大(?)変身!プロジェクターでスポーツ中継を放映します。

 まだ放映内容・期間は詳しく決まっていませんが、1/1〜3は決定です。(ニューイヤー駅伝・サッカー天皇杯・箱根駅伝・高校サッカー選手権etc.)12/26(土)の全日本フィギュアから始めるか?とも話していますが、夜の放送ですし、夜貸切もあるので要検討です。

 それに伴って「ブックフェア〜スポーツを読め!」を開催します。
 12/28(日)〜1/3(日)の1週間カフェの本棚がスポーツ本で埋め尽くされるはず・・・

定番の野球マンガや


サッカーマンガ。


柔道や


シーズンだから駅伝もね。

普段お蔵入りしている雑誌や、
ぬかりなく今年の箱根駅伝のガイドブックもご用意しております。

普通の本もありますよ。
一押しは、今年亡くなられた海老沢泰久の『ヴェテラン』(文藝春秋)です。
スポーツドキュメントでは、個人的には沢木耕太郎『一瞬の夏』(一押し!!だけど今手元にない(゜◇゜)ガーン)に次いで面白いと思っています。短編でとても読みやすいので、海老沢さんの冥福を祈って読んでみませんか。


年末年始は、有報堂でスポーツ本に浸るのはどうでしょう?


※最新の営業のお知らせは、12/17の記事にあります。
ブログ右側の営業カレンダーもご覧下さい。






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