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 「今日は何の日か」ということがよくマスコミで話題になっています。そんなに今日は何の日か気になる人が多いのでしょうか。

 今朝ラジオを聞いていたら「1944年の今日は、宝塚歌劇が戦時下不適当と休演、さよなら公演にファン殺到した日」だそうです。そんなことまで・・・と思いながらこんな本を思い出しました。

  玉岡かおる『タカラジェンヌの太平洋戦争』(新潮新書)
 この本によると、1944年の今日、決戦非常措置要項による劇場閉鎖命令を受け、宝塚大劇場の最後の舞台が行われたそうです。演目は「翼の決戦」・・・。軍隊ものの宝塚って・・・。
 すでに1940年の後半頃からは、カタカナ(所謂外来語)は一掃されて、平仮名・カタカナの名前のみに。例えば「ミュージカル・ドラマ」や「オペレッタ」が「歌劇」に、「グランド・ショウ」が「名作童話」に。野球なんかと全く同じですね。野球のことは良く知っていましたが、この本を読むまで宝塚のことは全く考えつきませんでした。戦争が何を奪っていくのかの一端が分かる本です。宝塚歌劇団が巧みに国策に利用されていく過程が分かります。
 国策に利用され、国威発揚に利用されていった宝塚歌劇団自身が、そのことを戦後どう総括し反省していったのかが、この本では分からなかったのが少し不服ですが、一読の価値ありです。


 もう1冊今日ネタで。

  河惣益巳『花巡礼』(白泉社)
 フィクションですが、1188年の今日生まれたブンランシュ・ド・カスティーユ(ルイ8世の王妃)が出てくるので。有島武郎(1878年の今日生)とどっちにしようか悩んでこの本にしてみました。ブンランシュ・ド・カスティーユ自体は、第3部まで出て来ませんが。しかも全く血筋が違う人になってるし・・・。でも、フィクションですから史実とは関係なく読めば結構面白いです。特に1部・2部が、強い女性の出てくる話が好きなブックス担当としてはとても楽しく読みました。なんせあのアリエノール・ダキテーヌ(仏王妃と英王妃になった実在の人物。百年戦争の原因と言われる人)が話の中心ですから。歴史が分からなかったら少し辛いかもしれません。幾らフィクションでも、どうやって決着させるのかと思ったら結構豪腕で辻褄を合わせてきました。その豪腕は、史実を知っていれば分かる決着ですが、知らないと意味不明です。自分の中世ヨーロッパ史の物知り度数を測るのに読んでみてはいかかでしょうか。


 「今日」の本を読みに有報堂へお越し下さい。そのうち「今日の本」で色々記事がかけるようになるかも。


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